科学の色>デジタルカメラの色

 当たり前のことを忘れていた。デジカメやテレビは、色の再現を目指していて、光の再現は目指していない(というより、光の再現は不可能に近い)。

 太陽光の白色は、全ての波長の可視光線の集まりであるのに対して、ディスプレイの白色は、RGBの発色である。液晶ディスプレイ・白熱灯・太陽光は、分光すればその違いは確認できるが、ヒトには全て白く感じ、全く区別できない。

太陽の分光
液晶、富士通 蛍光灯 太陽


ナトリウムD線 ナトリウムの炎色もしくはナトリウムランプは、オレンジ色の光を放つが、波長がほんのわずかに異なる2本の輝線(589.6nm と 589.0nm、有名なナトリウムD線)からなる。これも分光すれば、波長の差が確認できるが、デジカメ等の記録ではRGBの数値であり、ディスプレイに映し出された ナトリウムランプはもはや分光できない。

 デジカメ等は、光をRGBの数値に変換している。すなわち「ヒトの感覚の色」を記録・再現を目指している。このため、光の情報のほとんどは失われてしまう。例えば、流星痕の緑の正体は、カメラ記録でははっきりせず、その時の分光記録が必要となる。

 ところで、イヌやネコに見えるテレビの色は、異様なものとなっていないだろうか?

(2005/3/6、TAKA)

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