第四回放哉賞
第四回放哉賞の入選句が決定しました。すでに入選者には書面でもってお知らせしておりますが、改めて当ページでも発表します。放哉大賞には大分市の藤原よし久様が受賞されます。 応募者は182名、308句でした。 平成14年2月

放哉大賞 大分市 藤原よし久様
おのれ失うたものさらしている冬の残照
作品評  渡野辺朴愁(随雲代表)
朝からこの地球を温かく照らし続けた太陽も、今はすでに光衰えた弱々しい姿で西空に浮いている。その姿に、しみじみと己のこれまでの生涯を重ねているのだ。人生には好い事も限りなくあるのに何故か悔いだけが心に残るもの、「おのれ失うたもの」は彼自身の過去へのそうした悔恨であろう。「さらして」という表現に己の今の在りようを見つめた慨嘆が込められている。
入賞作品
年とれば佛に合わす掌草むしりしている  静岡県  那須田康之
止まった時計が風を聞いている冬  鳥取県  田中 勲
窓の灯消えて星と裸木のひそひそ話  浜松市   大軒 妙子 
ことわりもなしに夕日がさしている  長岡京市  山本浩之
さら地になって見晴らしの良いとんぼ  松戸市  吉沢 賢二
山並み凛と雪積む源流の音聞く  鳥取県  岸本 久寿
寒がゆれる赤ん坊の手の指さき  千葉市  佐瀬 広隆
誰か来るように海から春の風  桐生市  新開 清一
一本の傘を開き原爆ドームと対す  さいたま市  内倉 元
ずかずか笑顔でやって来て春になる海  東京都  中塚 唯人
入選作品は略します。
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「放哉」南郷庵友の会
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