参考図書一覧
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 書 名  著 者 出版社定価 メ モ 
放哉と山頭火
 死を生きる
渡辺利夫ちくま文庫800円+税2017年発行 放浪する詩魂、死影の漂白 文庫書下ろし
尾崎放哉 つぶやきが詩になるとき上野千鶴子他多数河出書房新社1700円最新(2016年発行)評論・エッセイ集
決定版 尾崎放哉全句集〈新装版〉伊藤完吾
小玉石水
春秋社2300円'02年2月新装版刊 全句集・小説・詩・書簡・俳談の新資料詳細は下に
流浪の詩人 尾崎放哉瓜生鉄二新典社2000円実証研究に基づく放哉評伝
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旅人 種田山頭火
    尾崎放哉
平野道夫探究社1800円生命と引き換え、瑞々しい遺言
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自由律句集
鍵の穴
木村健治文芸社1000円(税別)第一回放哉大賞作家句集
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放哉全集(全三巻)尾崎放哉筑摩書房各6800円待望の新「放哉全集」
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尾崎放哉文庫 
句集2巻 随筆書簡
尾崎放哉春陽堂各巻700円手にはいりやすいものです。
尾崎放哉文庫 
放哉評伝
村上 護春陽堂700円評伝としては最も優れている
暮れ果つるまで小山貴子春秋社2000円99年3月刊・
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いれものがない両手で受ける片岡鶴太郎サンマーク出版1900円98年5月刊・
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尾崎放哉
淋しいぞ一人
火村卓造北溟社3000円97年9月刊俳句評論評伝ともバランスのとれた好著詳細は下に
海も暮れきる吉村 昭講談社文庫 テレビでドラマ化
尾崎放哉論岡屋昭夫おうふう社3200円98年9月刊・
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以下の書は出版社で品切れ中 2004年1月現在
海に放つ 放哉句伝小玉石水春秋社 94年6月刊著者は「層雲通信社」同人
以下の書は絶版・入手不可能
尾崎放哉を知る事典藤津滋生限定出版 放哉研究の道しるべ決定版
小豆島の放哉さん岡屋昭夫放哉記念館 風景の深層心理に及ぼす影響を分析
尾崎放哉全集井上三喜夫弥生書房 絶版
放哉という男荻原井泉水大法輪閣1400円井泉水は放哉の俳句の師
放哉漂白の彼方上田都史講談社 人間存在、人間不在の相克
尾崎放哉伊沢元美桜楓社 参考文献・資料が多く掲載。

伊藤完吾, 小玉石水[編] 春秋社刊
新装版 決定版 尾崎放哉全句集
価格 2300円 2002年2月20日発行 ISBN 4-393-43414-5 C0092
放哉の全句集決定版。小説・詩・書簡・俳談の新資料をも補い、師・萩原井泉水や僚友・種田山頭火との交わりなどから放哉の人間像を明らかにする。
****品切れしていたものが新装版として再発刊されました。*****


瓜生鉄二著 新典社刊
日本の作家47  流浪の詩人 尾崎放哉
価格 2000円 昭和61年12月10日発行 ISBN4-7879-7047-X C0395
放哉研究の先達者たちの成果をふまえ、特にその空白部分「サラリーマン時代」に焦点を合わせ、実証的研究により事実を忠実に再現した放哉論です。
****放哉評伝としては最も詳細かつバランスのとれた秀作です。出版年次は古いですが入手可能。*****

平野道夫著 探究社刊
 旅人  種田山頭火・尾崎放哉
価格 1,800円 平成15年4月20日発行 ISBN4-88483-668-5 c0092
筆者のこの世で最期の評論、自分の死を凝視し自分と闘いながら書かれている。三行書いては眠り、又起きて三行書くという最期の力を振り絞った。壮絶凄惨な行為、珠玉の如き文章である。  編集仏教大学教授岡屋昭雄氏後書きより


きむら けんじ著 文芸社刊
 自由律句集 鍵の穴
価格 1,000円(税別)02年4月15日発行 ISBN4-8355-3771-8 C0092
第一回放哉大賞受賞作家 待望の作品集!!
「鍵無くしている鍵の穴の冷たさ」で第一回放哉大賞を受賞した著者が季節の匂い、日常、目に映るものすべてを”律”から解放された形で鮮やかに描き出した句集。
著者あとがきより
自由律俳句をなんとなくつくりはじめて間もなく〃鍵無くしている鍵の穴の冷たさ〃という句で 第一回放哉賞をいただいた。
 言葉は悪いが、出会い頭とはこういうことをいうのだろう。
 出会い頭の事故で終わってしまっては申しわけないので、それから三年ほど、フツーの俳句をやめて出会い頭のイキオイでせっせと自由律俳句をつくった。
 ついでに泥縄式に、井泉水や山頭火や放哉などを、これまたせっせと読んだ。おかげで、自由律俳句をつくりはじめたころなんとなくまっすぐで気持ちよい道に立っている気分だったのにいつしかどんどん迷路に入り込んで、いま、ここは何処わたしは誰? 状態のつらい気分になって自自律俳句というものがとんでもない難しいしいものに思えてきている。出会い頭で過分な賞をいただいた報いというものかもしれない。それでも気がつけば数だけはそこそこの句が残った。貯めておいても利子もつかないので思いきって句集にすることにした。
 願わくばこれを機に、再ぴ視界のきいた気持ちのよい道に立てること、おまけに都合よくこの句集が、どなたかの五臓六腑にしみこむことを自分勝手に祈るばかりである。
 最後に、この句集を出版する契機となった放哉賞にあたり、〈放哉〉南郷庵友の会、自由律俳句結社〈随雲〉、小豆島尾崎放哉記念館の関係の方々のご好意に厚くお礼を申しあげます。

筑摩書房刊 放哉全集 全3巻
編集委員 村上護・瓜生鐡ニ・小山貴子

第一巻 句集 価格6800円 ISBN4-480-70431-0
第二巻 書簡集 価格6800円 
第三巻 短篇・随想・日記 

この全集を編むための調査の結果、新聞や雑誌への投稿句が多数確認された。埋もれていた句も含めてすべての放哉句を初出の句形で発表順に掲載。 さらに残存する膨大な句稿も併録した初の本格的句集。この他、書簡・短篇・随想・日記など、放哉のすべてを収録した「放哉全集」となった。
内容紹介
第一巻 句集
定型俳句時代 自由律俳句時代 句稿1 句稿2

 放哉は生前に句集を持つことはなかった。没後すぐ、荻原非泉水によって句集『大空』が編まれ、広く愛唱される放哉はほとんどこれによる。
 然るにこの全集を編むための調査の結果、新聞や雑誌への投稿句が多数確認された。それは大正三年ころまでの定型句でも、以後の自由律の句についても同様である。埋もれていた句が新たに見出されるということは、放哉の句を全面的に読むことはできなかったということである。この巻では、すべての放哉句を、初出の句形で発表順に掲載する。
 さらに、残存する膨大な句稿も併録する。井泉水主宰の『層雲』ヘの句稿として井泉水宛に送ったもので、これまでにその一部が幾人かの手にあり、存在は知られていたが、一九九六年七月、二七二一句にのぼる句稿が荻原家からまとまった形で発見された。
 全句と句稿を併せ、放哉『句集』としたこの一巻は、多くの読者に瞠目して迎え容れられるに違いない。

第二巻 書簡集
 放哉の書きつづった書簡について、これは一級の文学であるといち早く喝破したのが井泉水であり、没後、間をおかず『層雲』誌上で書簡の提供を呼びかけ発表した。書簡文学の系譜に連なる雄峰と言えるものであろう。
 俳人放哉はまた一面、手紙の人でもあった。就中、小豆島へ渡ってからは、独居無言と言いつつ、おびただしい書簡を発し、返書を求めた。多いときは一日に三通も同一人に書き送ったりしている。閉ざされた空間に小さく小さく穿たれた、世界への窓のようなものであった。

第三巻 短篇・随想・日記ほか
短欧・短篇・簡想・日記アルバム影印
回想(尾崎並子・沢芳街1森田美恵子・荻原井泉水他)書簡(放哉あて他)
年譜 文献目録 俳句索引

 鳥取県立第一中学校の校友会誌『鳥城』掲載の短歌、随想や、第一高等学校の校友会雑誌に書いた「俺の記」、これまで埋もれていた同誌「非同色」などの小文、草稿「夜汽車」「無量寿仏」、「層雲」に寄せた、小豆島生活の一端を描く「入庵雑記」、簡単な日録ながら最晩年の姿をいきいきと紡佛させる「入庵食記」などを収録。他に参考資料と俳句索引、年譜などを収める。

書評  坪内稔典 朝日新聞平成13年12月16日付「日曜書評欄」より
 「障子あけて置く海も暮れ切る」は尾崎放哉の代表句。ところが、この句、原作は「すっかり暮れ切るまで庵の障子あけて置く」だった。これはだらっとして潔さを欠く。添削したのは放哉が師事した荻原井泉水。
 この「放哉全集」第一巻には、井泉水に送られた放哉句二千七百余りが収録されている。私たちが知っていた放哉句は、その句稿から井泉水が選んで発表した一部の作品だった。しかも、井泉水はしばしば大胆な添削をしていた。
 というわけで、この全集によって放哉像が変わるだろう。有名な「咳をしても一人」「月夜の葦が折れとる」などの孤独感の強い句は、実は放哉の一面。井泉水の選句や添削を通して、つまり、井泉水との共作において、放哉は自己を他者に開こうとしていた。
 句稿ではさきの障子の句の後に、「沢庵のまつ黄な色を一本さげてきた」がある。井泉水は採らなかったが、とても人懐っこい風景だ。

各氏の推薦のことば
孤独の有り態  金子兜太
 放哉は、会社づとめに失敗し、病いにもとりつかれて、社会から完全に脱落した、いわゆる東大出エリートだが、その自由律俳句や書簡などによって、息のつまるような失意と諦め、抑えきれない我執とのあいだをうろつく、孤独の有り態を承知することができる。今回発見された二千余句によっても、その態さらに如実のはず。

放哉全集  稲畑汀子
 放浪の俳人尾崎放哉。ホトトギス、国民新聞等で素晴しい俳句を発表し、東大を出て若くして保険会社本社課長となり乍ら飲酒癖で追社。再起もことごとく失敗、一燈園での奉仕の生活に心の救いを求めても徹し切れず、寺男を転々として孤独と貧苦と病苦に苛まれて死んだ放哉。その中で詠われた極限の淋しさは、我執と素直さと弱さを同居させた一個の知性の魂の叫ぴであるが故に現代人の胸に突き刺さる。

光明を見る  吉村昭
 二十一歳の冬に三度目の肺結核の発症をみて、末期患者となった。絶対安静の身で、私は初めて尾崎放哉の句にふれた。一句一句が私の内部に深く食い入り、死の追った間の中でかすかにゆらぐ光明も見た。死んだ折には、放哉の句集を棺におさめて欲しいと弟に頼んだ。幸いにも実験に近い手術によって死をまぬがれたが、その後も放哉の句は、私と共にある。死とはなにか生とはなにかという問いがそれらの句にあって、私は放哉を主人公とした「海も暮れきる」という小説も書いた。

俳句の極北ー放哉  上野千鶴子
 捨てても捨てても、なお捨てきれぬ思いが句となってこぼれおちる。五七五の韻律や季語の約東ごとをおのずからはみだし、食い破る。これが表現というものであれば……わたしも生きていける。そう思った二十代のわたしにとって、放哉は生きるよすがだった。  極限の短詩型、ことばのミニマル・アート。日本語が放哉を持ったことを、わたしは誇りたい。


小山貴子著 春秋社刊 
暮れ果つるまで 尾崎放哉と二人の女性
価格2000円 1999年3月30日初版発行 ISBN4 393-44717-4 C0095
無言独居の暮らしの中でも放哉の心の中に生きていた二人の女性。恋人の芳衛書簡など、新資料によって掘り起こされた新しい放哉像の誕生。
著者紹介:小山貴子(こやまたかこ)1951年 静岡県に生まれる
1975年 大阪教育大学大学院修了 卒論・修論共に尾崎放哉研究
現 在 大阪府立高校教諭、自由律俳句「随雲」同人 放哉友の会会員
著 作 『放哉と蓮車」(「光友」一燈園出版部)、「荻原家蔵放哉句稿集」(「随雲」平成9年8月号、9月号)他、「随雲」「山頭火通信」「新国語研究」誌などに多数発表

片岡鶴太郎書画 尾崎放哉句
いれものがない 両手で受ける
 A5変形判上製・オールカラー・118頁 価格1900円 ISBN4-7631-9221-3 C0095 1998年5月15日初版発行
自分自身でありつづけた二人の男が出会った--。描きたいときが描けるとき。いま、描かずにはいられない。役者として画家として、生かされて生き抜く男、片岡鶴太郎。そんな彼が、自分をつきつめ、生と死を見つめて孤高に逝った鬼才の俳人、尾崎放哉の世界を命あふれる筆で彩りのなかに甦らせました。 山頭火と並び称される自由律俳句の先駆者と、とらわれない作風で大衆芸術に花を咲かせる鶴太郎の出会いを、どうぞご堪能ください。

岡屋昭雄著 おうふう刊
尾崎放哉論 放哉作品をどう読むか
価格3200円 253頁 1998年9月25日初版発行 ISBN4-273-03035-7 C1095
放哉と小豆島 放哉の小豆島の作品と心象 放哉の心象風景 漂泊者放哉の宇宙
著者 岡屋昭雄(おかやあきお)1933年山口県生まれ 仏教大学教授

火村卓造著 北冥社刊 
尾崎放哉 淋しいぞ一人
価格2858円 311頁 1997年12月6日初版発行 ISBN4-89448-000-x C0092
著者紹介  火村卓造(ひむらたくぞう)昭和2年栃木県生まれ。俳誌「耀」創刊主宰
早稲田大学文学部卒。俳人・野澤節子に師事。「蘭」創刊より参加。編集長、同人会長などを歴任。現在に至る。
著書
詩集「少年寺院」、句集「長堤」「奔り火」、評論集「俳句の原景」(第二回下野文学大賞)「野澤節子論」「山頭火の世界」(共著)など。
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「放哉」南郷庵友の会
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