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- 第9回放哉賞
- 第9回放哉賞の入選句が決定しました。すでに入選者には書面でもってお知らせしておりますが、改めて当ページでも発表します。放哉大賞には防府市の富永鳩山さまが受賞されます。 平成19年2月
東北・北海道 |
関東 |
北陸・中部 |
関西 |
中国 |
四国 |
九州・沖縄 |
合 計 |
17名 |
48名 |
30名 |
39名 |
20名 |
19名 |
24名 |
198名 |
27句 |
78句 |
53句 |
65句 |
38句 |
30句 |
42句 |
329句 |
- 放哉大賞 山口県防府市 富永鳩山様
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語りはじめそうな石の横
- 作品評 鶴田育久(自由律俳誌「層雲」編集長)
- 穏やかで平明な句である。一見、舌足らずの感を受けるが、この句の場合、多くを語らぬところに深い味わいがある。読者に想いを委ねることも俳句の妙味でもあるのだ。
- 季は小春日和でも早春でも構わぬが、とにかくぬくぬく陽を受けている石の横ににいるだ。その石は、庭石であるか、それとも路傍に端座しているものであるか、置かれている位置、その石のもつ歳月など考えると、イメージは様々に変容し膨らんでくる。石は慈愛のような陽を受得して何かを語りはじめようとしているのだ。それは取も直さず述懐に似た自分の想いに他ならない。佳句である。
- 入賞作品
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胸に抱く林檎少女の如く喋り出す |
浜松市 |
埋田貞子 |
てのひらに海の夕日を乗せてみる |
神戸市 |
藤生昇三 |
乱気流へいのちただよう夜のさくら |
山口市 |
清水八重子 |
ふる里を焼く火かもしれぬ 蛍を放つ |
東京都 |
荒木 勉 |
やんわりことわられた船見ている |
浜松市 |
富田彌生 |
夕焼け小焼けトンボの群れを貼り付ける |
江別市 |
坪井政由 |
嘘をついて勝手口の月は出たまま |
東京都 |
きむらけんじ |
時間の電池を抜いてみたい海の夕焼け |
東京都 |
大久保さく子 |
小走りに歩く癖が梅の蕾膨らんでいる |
浜松市 |
泉沢英子 |
シクラメンの視線に少し偽りがある |
田川市 |
高木架京 |
- 入選作品
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人生の午後の穏やかな海と椅子におる |
豊明市 |
中野弘雄 |
ビール缶ペコンと潰す程度のしあわせ |
山口県 |
河島 渉 |
少年こぶし二つ持ち夕日見つめている |
山口県 |
久光良一 |
人生そこそこがいい夕立ち雲の行くえ |
大分市 |
浅田君子 |
寒の風荒れている不条理なこと多い |
浜松市 |
那須田康之 |
うれしくて楽譜を開く春の鳥 |
鎌倉市 |
大原香織 |
だめな私にまっすぐな犬が駆けていくる |
仙台市 |
平山礼子 |
寂しさくべて夕暮さびし烟になる |
立川市 |
安田十一 |
たんぽぽたんぽぽたんぽぽとわたくし |
日野市 |
平澤裕美 |
介護の合い間にバラの花束買いに行きます |
浜松市 |
ちばつゆこ |
- 過去八回の放哉大賞
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第八回 |
薄れ行く夕焼過去が立止まっている |
浜松市 |
富田彌生 |
第七回 |
空いたままの指定席が春を乗せている |
新潟市 |
黒崎渓水 |
第六回 |
無人駅の窓口は 風の音売ります |
田川市 |
高木和子氏 |
第五回 |
波からころがる陽に足跡がはずむ |
京都市 |
高田弄山氏 |
第四回 |
おのれ失うたものさらしている冬の残照 |
大分県 |
藤原よし久氏 |
第三回 |
人間を脱ぐと海がよく光る |
岡山県 |
篠原和子氏 |
第二回 |
砂ばかりうねうねと海に落ちる空 |
鳥取県 |
坪倉優美子氏 |
第一回 |
鍵なくしている鍵の穴の冷たさ |
神戸市 |
木村健治氏 |
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「放哉」南郷庵友の会
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