第146号 2023年10月5日発行

入 庵 記 念 行事
8月8日(火)〜9月3日(日)まで、入庵記念行事俳句風鈴展≠開催しました。 今回は咳をしても一人∞入れものが無い両手で受ける≠ネどの代表作といわれている句以外の、小豆島で作った句を飾りました。 連日の猛暑ではありましたが、夏休みやお盆ということもあり多くの方々にご覧いただくことができました。ありがとうございました。 1句だけ定型俳句を付けていましたが、見つかりましたか?正解は『教場に机ばかりや冬休暇』でした(^o^)記念館に向って左側手前、青い風鈴の列(左から4個目)にありました。 この句は明治33年、俳号に梅史≠使用していた時代の作品です。 尾崎放哉全句集(筑摩書房)や放哉全集第1巻句集(筑摩書房)には、定型も自由律も掲載されていますので、秋の夜長にぜひ。おすすめです☆彡
入庵食記・10月20日より】
西光寺サンヲ煩ワシ(オイシヤ)ニ行ク、二ケ月、ガマンシタ ケレ共苦シクテ、死ヌノハ、ナントモナイガ、苦シクテ、手 紙モカケナイニ一番コマル、酒ヲノンデ、元気ヲツケテ、手 紙ヲカイテル有様也、シカタ無シ
〇明日……(井師ニ(祭ノ句)ヲ送ル事)
愈、西光寺サンニタノンデ医者ニ行ク 木下氏――左肋まく、 ユチヤク、呵々
不時ノ熱ヲ如何セン
木下氏曰ク、アンタハ、ガマン強イ、ソレガイカヌ、――今 后、午前二時間位、休ム可シト……
俺ハ、(ルンゲ)?……死ンダ方ガヨイ、(寝テオラレルモン カ、ボンヤリシテ)呵々

※この中に出てくる「医者ニ行ク 木下氏」は木下医院、114 銀行の駐車場の場所にあったそうです。
風鈴に使用した自由律俳句は76句。これは、小豆島で作られた約2,700句中、『層雲』に掲載された216句から選んだものです。俳句を鑑賞するためには放哉を知ることも必要です。そのために、書簡を読んでみることもひとつの手段かと思います。
放哉は入庵から亡くなる直前まで多くの書簡を書き送っています。放( )哉全集第2巻書簡集(筑摩書房)に掲( )載されているだけでも、約8ヶ月の間に457通? ほぼ毎日封書や葉書を書き、1日に2通3通。さらには、同日同じ人に宛てて封書と葉書を書く日もあったようです。内容も、お互い理解し合っている相手には口語体であったり、かしこまった表現だったり、文語体の時もあったりと、相手との関係性も見えてきます。放哉自身を読み解く手掛かりとなります。また、左の【入庵食記】には病気で一番困るのは手紙を書けないこと≠ニあり、さらに句も作っていた訳ですから…。南郷庵での放哉を知るヒントにもなると思います( )。
 
 
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紫色字 記念館休館日
茶色字 資料館休館日
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