第54号 2016年2月5日発行
尾崎放哉生誕記念行事 開催
第1部・講演会 『―私が巡りあった― 放哉を愛した人々』 講師:小山貴子先生


小山貴子さんは大学の卒業論文で「尾崎放哉」を取り上げ、研究・自由律俳句を始められました。今回は、研究を進めていく上で出会った方々との事を写真等を使いながらお話ししてくださいました。
大変著名な方々の名前が挙がる中、特に内島北朗さんのお話しには驚きました。内島北朗と言えば、陶芸家であり、俳人であり、放哉の友人。その方を訪ねた時に、「まずは自由律俳句を始めるように」と勧められ、 小山さんは層雲に入会されたそうです!また、別の機会には、北朗さんの作品 である焼き物を贈られ、その時自分が頂いて良いものなのかと迷いが生じたそうです。しかし、自分もまたこれを継承していかなければならない、と今日まで邁進されました。実際に放哉と関わりのある方々からの話を伺うため各地に足を運び、また俳人としても平成26年に、自由律俳誌『青穂』を創刊されています。(※『青穂』は荻原井泉水が『層雲』を創刊してから100年後、その志を継いで活動されています)先生が培ってきた研究についてお話しを伺う事が出来、大変貴重な時間を過ごす事が出来ました。
講演会で紹介された書籍
・『大空放哉傳』(昭和10年) 著者/河本緑石
・『放哉』(昭和39年) 著者/村尾草樹
・『尾崎放哉全集』(昭和47年)『尾崎放哉全集 増補改訂版』(昭和55年) 井上三喜夫/編
・『流浪の詩人 尾崎放哉』(昭和61年) 著者/瓜生鉄二
※この他、図書館には放哉関連書籍が多数あります。
※資料館では著書『暮れ果つるまで 放哉と二人の女性』の展示をしています。是非ご覧ください。
第2部・座談会 第2回『私の好きな放哉句』
司会:森 克允さん、ゲスト:小山貴子先生
パネリスト:塩本弥寿子さん『寒ン空シヤツポが欲しいな』
      上田行雄さん『故郷の冬空に戻つてきた』
      浅野卓夫さん『淋しい寝る本が無い』
      小林欣一さん『心をまとめる鉛筆とがらす』
       山本照雪さん『あすは元日がくる仏とわたくし』
昨年2月からこちらで掲載していた『私の好きな句』に執筆してく ださった方々をパネリストとしてお招きし、島内外の放哉ファンと熱い思いなどを語り合いました。
第2回目となった今回は小山貴子先生にもゲストとしてご参加いただきました。各自5分〜10分程お話しいただき、「同郷であるという事から実景を想い描く事が出来て放哉の気持ちが分かる」また、「職業柄自然とこの句が気になり興味を持った」などの理由が挙げられました。みなさん1句1句に対する思いが強く、本当に『尾崎放哉』ファンであるという熱い気持が伝わってきました。また参加者の方からも意見・質問が挙がる等、1つの句を色々な視点からみて楽しむ事が出来ました。
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