10月に入り、過ごしやすくなってきましたね。紅葉も待ち遠しいですが・・・、小豆島の秋の行事といえば、秋祭り。夜になると、太鼓の練習の音が聞こえてきます。秋の豊作に感謝し、各八幡神社で太鼓台奉納が行われます。各地区それぞれの特徴があり、力強く迫力のある太鼓台は見る人を魅了します。
そんな小豆島の伝統行事を、放哉さんも満喫(?)したようです。以下↓、秋祭りを詠んだのではないかと思われる句と書簡を紹介します。酒好きだった放哉さんでしたが、禁酒の約束と病を患っていた事で、お酒を飲まなくなり食も細くなっていました。沢山のご馳走にお腹もオドロイタようですが、放哉さんにも太鼓の音が届いていたようです。 |
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荻原井泉水あて葉書 (大正十四年十月十四日)
『啓、オ祭……島デハ年中ノ最大行事ラシイ、皆、新ラシイ下駄ト、新ラシイ(シヤツポ)ヲカブツテ嬉々として歩いて居ます』、昨夜 オ祭ノゴチ走ヲ、西光寺サン、ハヂメ、向フノ家等カラ、オ酒ヲツケテ、モツテ来テクレル、大ニ面喰ツテ、而し?ミマシタ、弱クナリマシタヨ大ニ酔フ……今日ハ又 淵崎ノオ祭、……約束ガシテアルノデ又、御チ走になりニ井上氏ノ宅ヱ行キマス、……<略>……』
井上一二あて封書 (大正十四年十月十四日)
『啓、只今、大ごちそう……オツ母サンの、又奥サンの上手な味かげんを、久しぶりニいたゞきます、……腹がオドロクでせう、重々御礼申しあげます…〈略〉…』 |
その手がいつ迄太鼓たたいて居るのか
天気つづきのお祭がすんだ島の大松 お祭赤ン坊寝てゐる
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秋の夜長におすすめ図書
【尾崎放哉全句集】筑摩書房/尾崎放哉 著/村上護 編
【流浪の詩人 尾崎放哉 日本の作家47】新典社/瓜生鉄二 著
【放哉評伝】春陽堂書店/村上護 著
【郷土出身文学者シリーズ(1) 尾崎放哉】鳥取県立図書館
【海も暮れきる】講談社/吉村昭 著
南郷庵で過ごした約8か月間の生活が描かれています。テレビドラマ化され、橋爪功さんが 放哉役を演じました。
【第2図書係補佐】幻冬舎/又吉直樹
お笑いだけでなく、作家・コメンテーターなど多彩な才能を発揮されているピース・又吉さん です。この本は、読書家で
ある又吉さんが数々の作品を紹介し、その中に【尾崎放哉全句 集】が取り上げられています!
★もっと詳しく知りたい人にオススメ★
【放哉全集1巻句集、2巻書簡集、3巻短篇・随想・記ほか】 筑摩書房/尾崎放哉 著
【放哉研究 第1号〜5号】日本放哉学会編集委員会 |