第77号 2018年1月5日発行
生誕記念日《明治18年1月20日》
※今年の記念行事は都合により来月、2月17日(土)を予定しています。次号でお知らせします。
 南郷庵で迎えた誕生日に放哉は、以下の『入庵食記(日記)』と知人に宛てた『手紙』を残しています。 入庵食記では、未生の自分自身に対して!≠付けるほどの気持ち、そして、手紙の中では妻と祝っていた頃)と比較するように書かれています。南郷庵で"焼米・焼豆・ラッキョ・梅干し・番茶ガブ飲み"を日々の食事としていた放哉にとって、自身で用意した誕生日の食事は大御馳走に見えますよね。しかし、いつもとは違(ちが)う食事にしようと思ったけれど、やはり何か違う。と同時に、妻( )の事が思い出されたのではないでしょうか。そんな思いがポカンとして≠フ中に込められているようにも感じられ、烈風、寒風≠ノよってさらに堪えてしまったのかもしれませんね。
・・・(省略)・・・ ……今日、一月二十日は放哉の誕生日なんですよ、それを放浪の旅四年後の今日、フト思ひ出しました、そして……一ヶ三銭五厘の油揚二枚買つて来て「油揚めし」を作り、之に「茄子」の味そ漬(ウラの婆さんからのモライもの)と、(ラッキョ)(梅干)……大御馳走也、……妻が、居る時は、「尾頭付キで、赤めしで一杯やつたもんだが、と思はざるに非ず呵々、只一人でコサエて一人でダマツテムシャ??たべて、ソシテ一人でガチヤ??茶わんを洗つて、ソレデ烈風中の誕生日……お終ひ……これでも正に放哉の誕生日に相違ありません呵々、馬鹿(ばか)しい様な、淋しいやふ(う)な、なさけないやふな、……一人ポカンとして之でお終ひ、只今、八時頃でせう?何しろ烈風、寒風、トテモ、タマラヌので布とんの中にモグリ込まうと思つてゐます・・・(省略)・・・ 入庵食記より
吾輩ノ誕生日、 唯一人ニテ俳句デモ作ラウ、 嗚呼未生以前ノ放哉よ!

※嗚呼…物事に感じて出す声(驚き・悲しみ・喜び・嘆きなど)の漢文表現。
※未生…まだ生まれないこと。その人がこの世に生まれる以前。
第17回放哉ジュニア賞・締め切り迫る!1月20日必着
もう俳句は出来上がっていますか? 応募の締め切りは、もうすぐです。新年の抱負や冬休みの出来事、今の学年のうちに頑張ってやりたいこと、日常の風景など。自分自身や身の回りに目を向けて、その気持ちをぎゅぎゅと俳句にこめてみましょう。
*詳しくは担任の先生に聞いてみましょう。
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赤色字 町広報発行日 紫色字 記念館休館日 
茶色字 図書館休館日 
重要なお知らせ
先月号でもお知らせしましたが、記念館内の修繕工事を行いますので下記の期間は臨時休館いたします。また、それに伴い、土庄町尾崎放哉資料館も休館となります。
【期間】1月29日(月)〜2月8日(木)
今年の4月7日で、記念館は開館24年を迎えます。近年は館内のあちらこちらに傷みが見えるようになり、少しずつ部分的な修繕を行ってきました。しかしそれだけでは今後も資料を保存するために不十分であり、全体的に改善が必要となりました。 ご了承の程よろしくお願いいたします。
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