シャボン玉

黒い膜・白い膜


薄膜の色 干渉色
薄膜の色 干渉色
薄膜の干渉による各波長の明るいところは、左の図の通りです。1次以降には重なりがありますが、0次と1次の間には隙間(暗い所)があります。
この部分がニュートンの言うところの「黒い斑点」であると思います。ニュートンはこれ以上薄い膜は観察しなかったと思われます。
この薄膜の厚さは、膜の厚さ(1)で求めたように、150nmから200nm程度と考えられます。
このことは、膜の厚さ(2)の立花太郎の計算した表の「127nm Black」ともほぼ一致します。

ところが、シャボンの黒い膜に触れている何冊かの本(界面活性剤関係)には、その厚さはそれぞれ数nm、4.4nmと明記されています。
立花太郎自身も「しゃぼん玉 その黒い膜の秘密」p64でペランの「第1種の黒い膜 10から100nm、第2種の黒い膜 5nm」を紹介し、以後「127nm Black」には触れていません。

ペラン、ラングミュア(石けん分子の2分子膜の長さより黒い膜の厚みを求めた)の「4.5nm」が、 いつの間にかニュートンの見た「黒い斑点」(我々がふつうに見られるのもこの黒い膜と考えられる)の厚みと勘違いされたのではないかと疑っています。
このことについてのご意見お待ちしています。

※上図の「薄膜の色」は洗剤のグリセリン溶液でのものなので、マイセルスの密閉瓶での方法でもう一度観察・確認したいと思います。


白い膜

上図の「薄膜の色」最上部に見られる白い膜は、光の干渉からは説明できず長い間不思議に感じていました。
ヒントはやはり「しゃぼん玉 その黒い膜の秘密」にありました。水の蒸発により石けんの濃度が高くなり、石けんの球状ミセル(コロイド)が生じ、光の散乱すると考えるとうまく説明が付きます。
シャボン液の濃度により、黒い膜と白い膜ができる順は変わるかもしれません。みなさんも是非挑戦して見てください。

(2001/3/39、TAKA)

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