科学の色>赤>丹の謎

丹(タン)と丹(ニ)

 初期の「仁丹」は赤色。果たして反魂丹の色は?腹の調子が悪いわけではなかったが、封を切った。(ドキドキ)

 赤色だ(^_^)v。少しくすんだ暗い赤で、直径5mm程度の円盤形。丹(タン)は、赤色をした薬に間違いない。

 ネットで興味深い物を発見した。如神丹(如神丸)という消化器官用薬(別名赤玉)。 なんと辰砂(硫化水銀)によって赤くコーティングされている。熊の胆(くまのい)と双璧をなす胃薬で、類似品がぞろぞろある。 (詳しくは「東京都薬剤師会北多摩支部売薬紹介シリーズぞろぞろ篇(その9)」。薬について非常に充実している)

万金丹、反魂丹   不老不死の薬である道教の丹(タン)に対する信仰(劣等感)から、消化器官用薬までも赤くしていたのではないか。 とにかく「丹(タン)」は、赤いねり薬(鉱物から得られる)である。

 問題は、「丹(ニ)」。「丹(ニ)塗り矢」等に代表される「丹(ニ)」は、果たしてねり薬だろうか。 「青丹よし奈良の都は咲く花の薫うがごとくいま盛りなり」(小野老朝臣)にある「丹(ニ)」は、薬とは考えられない。

 「ニ」は大和言葉であり、「埴(ハニ)」からもわかるが赤い粘土であろう。 「丹(タン)」「丹(ニ)」ともに、非常に大切な赤い土であることには変わりないが、両者にはズレがある。

 このズレが、古代の赤・朱・丹の解釈の混乱を招いているのではないだろうか。

(2007/3/18、TAKA)

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