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ベンガラの謎(5)

 昔住んでいた家の隣に老舗の薬屋(漢方専門)があった。売っていたのが「千金丹」(万金丹の類似品?)。 反魂丹(はんごんたん)、阿呆丹(あんぽんたん)、さらにTVコマーシャル等で有名なのが森下仁丹(株)の仁丹・梅仁丹。 「仙学研究舎」に煉丹術の丹について書かれている。
「丹」は水銀・硫黄などの化合物を含む鉱物を特殊な技術によって加工・昇華あるいは融解・分離して精製された薬剤である場合が多い。
「丹(タン)」は、中国の古典化学や伝統医学では精製された薬であるとされている。古事記に「丹塗矢」が出てくる。赤土で塗られた矢とされているが、薬剤を塗った矢と考えられないだろうか。
「その美人の大便為る時、丹塗矢に化りて、その大便為る溝より流れ下りて、その美人のほとを突く。」(古事記)
 言葉は生き物であり、時代や場所により変化する。 魏志倭人伝の「丹(タン)」と古事記の「丹(ニ)」の意味は異なるかもしれない。

赭(ソホ)と丹(ニ)の関係図

 ベンガラの謎は深まるばかりである。

(2006/11/19、TAKA)

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