自然の色

黒い雲

私は不思議でたまらない、
黒い雲からふる雨が、
銀にひかつてゐることが。

  「不思議」(金子みすヾ)より抜粋


 しばしば黒い雲を見ることがある。今にも雨が降り出しそうな重たそうな雲である。
「21世紀こども百科科学館」(小学館)p20に[雲の色はなんの色?]の説明がある。

雲が目に見えるのは、雲をつくる水滴に日光が反射しているからだ。この水滴が小さいと、光をよく反射するので雲は白く見える。 今にも雨が降りそうな雲が黒いのは、大きな水滴が光を吸収し、しかも、雲が厚くて奥まで光がとどかないためだ。水滴がもっと大きくなると、雨になってふってくる。
 さらにイラストで、白い雲は直径0.01mmくらい、黒い雲は直径0.05mmくらい、雨粒は直径0.1mm以上となっている。 天下の小学館が総力を挙げて作成したものだから、ついつい鵜呑みにしてしまった。(「21世紀こども百科科学館」は、きれいな写真やわかりやすいイラスト満載で、お勧めです)

 光を反射(散乱が正しい)すれば白、吸収すれば黒。一般的に正しいが、なぜ粒子の大きさによって散乱したり、吸収するのは理解できない。虹のアレキサンダーの暗帯と関係するのか・・・?


 ふと今朝、黒い雲を眺めていて原因がわかった。

 黒い雲など存在しないのだ。黒い砂糖や黒い塩がない(いや黒砂糖はあるが・・・)のと同様に黒い雲はない。 映画のスクリーンは白いが、光により赤くなったり青くなったりする。光が当たらなければ当然黒く見える。
 雲は、スクリーンと同様で、太陽光が当たれば白く、夕陽が当たれば赤くなる。他の雲が光を遮る、もしくは厚い雲で下部まで光がとどかないとき、雲は黒く見えるのだ。ある径の水滴が光を吸収することはあり得ない。

(2005/11/6、TAKA)

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