自然の色
紫 煙
煙草の煙は、紫煙と呼ばれる。実際、青紫に見える。
よく観ると、上昇するにつれて青みがなくなり、やがて白くなる。口や鼻から吐き出される煙も白い。
口をティッシュ等でふさぎ煙草の煙を吹き付けても、茶色いヤニが付くだけで青紫のものは見あたらない。
煙草の煙の粒子は、直径200〜500nm(ナノメーター、1nmは10億分の1m)程度で、可視光線の波長(およそ380nmから770nm)とほぼ等しい。 光は小さな粒子を通過するとき、散乱(粒子を中心に光が四方八方に放出する)という現象を生じる。 粒子が、光の波長程度より小さい時はレイリー散乱、光の波長より大きいときはミー散乱となる。
特に小ささ粒子で生じるレイリー散乱は、波長の短い菫色・青色を強く散乱するため、煙草の煙が青紫となる。 空が青いのもレイリー散乱によるものである。
煙草の煙は口や肺の中で水蒸気が吸着、直径が大きくなるので、吐いた煙はミー散乱(すべての波長の光を同様に散乱)により、白くなる。 水蒸気とともに上昇した紫煙も、上方で冷やされ、径が大きくなるので白くなる。
映画館での煙草は、投影する光が散乱するので当然禁止となっている。 ところが学生時代によく通っていた映画館「松本中劇シネサロン」(松本市縄手通り)は喫煙OKであった。座席数30弱でふれ込みが世界最小、料金も300円であった。。小さいので散乱の影響が少ないのであろう。 「カサブランカ」のハンフリー・ボガードの紫煙が懐かしい。(2005/11/13、TAKA)
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