シャボン液のレシピ:(1)不変の黄金比|(2)巨大レシピ|
(1)不変の黄金比
シャボン界の巨匠ボイズ(C.V.Boys、英、1855〜1944)のシャボン液レシピが、名著「しゃぼん玉の科学」(矢田義男訳、槇書店)にあった。
『きれいな栓付きのびんにその3/4の水をいれます。さらに重量でその1/40のオレイン酸ソーダを加えます。おそらく、これは水面に浮かびます。1日中静置しておけば、オレイン酸ソーダは溶解します。純粋なグリセリンをほとんどびんいっぱいになるまでいれて後よく振るか、または他のきれいなびんと元のびんとで何回も入れかえてやります。 〜中略〜 きれいな液のみを抜きとります。この液、0.57リットルに対し、濃アンモニア水を1、2滴加えます。以下略』割合だけわかりやすく書くと、水:洗剤:グリセリン=30:1:9。すなわち、洗剤が全体の1/40(=2.5%)
ちなみに、いろいろなシャボン玉研究者や愛好家の割合は、水:濃縮洗剤:洗濯糊=10:5:1。一見、まったく違うように見えるが、濃縮洗剤の濃度を40%とすると、洗剤の割合は、
1×0.4/16=0.025
ナント100年以上前の巨匠の洗剤濃度と現在のトレンドが、ピッタリ一致しているのだ。シャボン液のベストが洗剤2.5%なのか、偶然の一致なのかはよくわからない。ひょっとすると、シャボン玉の先駆け的存在である吉田兄弟あたりが「しゃぼん玉の科学」を研究し、以後それが広まったのかもしれない。
(2016/12/13、TAKA)